地域包括ケアの推進が言われて久しい。
地域包括ケアを推進するためには、その地域、土地に応じた体制の整備が欠かせません。
広島市だけでみても、市街地あり山間部あり、団地あり離島ありで、
なかなかひとくくりの概念では捕らえ切れませんし、事業運営の仕方も違うのでしょう。
ところで、現在、最も介護予防が機能しているのは、埼玉県和光市とのこと。
同市の保健福祉部長である東内氏の指導力によるものが大きく、
以前、東内氏の講演を広島で聞いたことがありますが、
和光市というコンパクトな地域の中で、最大限介護予防が機能し、
介護保険料の減額を行うなど、その成果はめざましいものがあります。
現状の介護保険制度において、最大の矛盾があります。
高齢者がサービスを利用した結果、機能が回復し、介護度が改善すると、どうなるか?
介護事業所を利用しなくなってしまうのです。
それは、介護事業者が利益をあげられなくなる事に他なりません。
介護度を改善することが、事業所の経営にとって、マイナスに作用してしまうのです。
現状でも、介護度を改善すると若干のボーナスのような加算がありますが、
利用者減少をカバーするだけのインパクトはありません。
しかし、これ以上言っても何もならないので、話題を標題にもどしますと、
今から10年後の時代では、
高齢者人口が増大し、入院病床数は増えず、好むと好まざるとにかかわらず、
自宅での最後を選ぶ方が増加します。
では自宅を含めた地域に、在宅で最後を迎えられるだけの体制があるのでしょうか。
地域包括ケアの推進が求められますが、冒頭にも述べたように、
地域特性に応じて求められる必要なサービスは異なりますし、
供給体制も地域に応じて差が出ます。
ではどうすればよいか?
結論を言えば、危機感を共有した人たちが、
地域の実情に応じた取り組みを自主的に行うことが、気が付けば一体的な活動になっている。
そんな状況を作り出すことではないでしょうか。
上記のようなことは想像がつきませんが、それは今まで日本は、
中央が決めたことを地方に波及させて制度を作り上げてきたので、誰も経験していないのです。
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