2014年4月26日土曜日

少子高齢化について

少子高齢化が社会問題となっている背景には、


持続性のある社会保障を維持できないという問題があるからです。


現役時代に貯めたお金を高齢になって受給する「積み立て方式」とは異なり、


今の現役世代が今の高齢世代を養う「賦課方式」で運用されているのが、


現在の社会保障制度の姿です。




では、現役世代の所得の減少と世代ボリュームの減少により、


高齢世代(引退世代)の世代ボリュームを支えきれないというのが、


社会保障が行き詰るという考え方の元になっています。



これは、考え方を転換すると、少し違う理解の仕方もあります。


というのは、今の高齢世代(引退世代)がGDPを戦後押し上げてきたから


現代で豊かな生活が営める(ニートでも生きていける)のであり、


高齢世代に対する社会保障費の増大で現役世代が窮乏するのであれば、


それは長い眼で見てプラスマイナスゼロではないかと。


世代間の不公平など無く、むしろ公平になるということです。



とはいえ、そのような考えを抱く人はごく少数で、


多くの人は、現在の豊かな生活を維持した上で、


社会保障も可能な限り充実させるという願望を抱いております。



とどのつまり、日本は少子高齢化が一段落するまで、GDPを成長させ続けるしかないわけです。



2014年4月23日水曜日

ホワイトカラー・エグゼンプション

本日の新聞報道で「ホワイトカラーエグゼンプション」について記事がありました。


それについて少し考察をしてみたいと思います。


労働基準法は戦後すぐの昭和22年に制定され、その後様々な改正を経て、


昭和62年改正では裁量労働制の一部実施とともに、週40時間労働が法定されました。


週40時間労働の上限のような、労働時間を基準にした規制では、


工場労働者のようなブルーカラーの労務管理では有効である反面、


企画、立案、営業など、労働時間だけでは仕事の成果が図れない業種においては、


労働時間によって賃金が決まる仕組みというのは、なじまないのかもしれません。


そこで考え出されたのが、「ホワイトカラーエグゼンプション」です。


ホワイトカラーとは、前述のブルーカラーとの対比で、シャツの襟の色が白く、


作業着ではなく白いシャツを着て事務仕事を中心としたデスクワークを行う人という意味です。


このホワイトカラーの仕事は、単純に労働時間を多く投入すれば


いい仕事ができるというものではありません。(無論、一定の時間はかかるのですが)


短い時間で成果をあげることもあり、


逆に、いくら長い時間をかけても成果が上がらないこともあります。


しかも、現在の労働基準法では労働時間に応じて賃金が支払われる仕組みであるため、


ダラダラ残業や、外勤職員の労働時間の把握の困難などの弊害が発生していました。


単純に成果を上げれば給料を支払うような仕組みにすれば、労使双方ともメリットが大きい


というのが経営者サイドや一部政府内の考え方です。


労働組合や野党の多くは反対しております。


企業が残業代支払いの制約をのがれ、無期限のサービス残業につながるというものです。


成果が上がれば家に帰れる反面、


成果が上がらなかったり仕事が完了しなかったら、いつまでも仕事をし続けなくてはならない


(仕事が終わるまで帰ることを許されない)状況では、


経営者サイドから「まだこれくらいできるだろう」ということで、


仕事が無制限に与えられる可能性があるということです。


とどのつまり、ホワイトカラーエグゼンプションとは、


中小企業の経営者なみの責任と権限が与えられて、初めて上手く機能するものです。


仕事の裁量や権限がない状態で、労働時間の規制だけが撤廃されると、


労働者が悲惨な目にあうことは明白です。


現実的には、ある程度の年収(1000万円など)を超えるとか、


出退勤が全く自由に与えられている研究職などの仕事に限定されるものと思われます。


私個人的には経営者の一人として、ホワイトカラーエグゼンプションには賛成ですが。

2014年4月16日水曜日

日常の出来事

事実上の個人事務所であるため、家庭の用事や仕事を含めて、1日のスケジュールを立てます。


朝、幼稚園バスの送り出し

鯉のぼりを揚げる

書類作成

メールチェック

研修会

電話連絡

事業所訪問

家庭訪問


以上は、今日一日の流れです。

朝にあげた鯉のぼりは、夕方、家族が片付けていました。

2014年4月9日水曜日

助成金の活用方法・・・①

事業を展開する上で、数多くの助成金が存在します。

書類の提出期限や、助成金の適用期間など、

常に最新の情報を確認しておく必要があります。


一つ留意しておかなければならないのが、

助成金では黒字にならないことです。


企業の経営戦略、人事戦略において、

社会の要請とマッチしたものが国から奨励されると考えることが重要です。


福祉の業界においても、人事戦略は重要です。

助成金を目当てに、人を雇用するなど本末転倒です。


また近いうちに、続編を投稿します。

ではまた。


2014年4月6日日曜日

応能負担と応益負担、所得税と消費税

福祉の学習を進めると必ず出てくるのが、「応能負担」と「応益負担」の違いです。



応能負担とは、文字通り能力に応じた負担であり、


利用者の所得が高ければ高い利用料を支払い、


逆に所得が低ければ低い利用料を支払うというもの。



応益負担は、受ける利益に応じた負担であり、


利用者の所得に左右されずに、一定の利用料を支払うもの、



福祉の現場では、応能と応益が混在して、利用者から負担を求めています。



応能に代表されるものとして・・・・・

一定の老人福祉施設における食費と光熱費、養護老人ホーム(特養ではない)の利用料など



応益では・・・・・

介護サービス利用料の一割負担、通所事業所における食費など



障害者福祉サービスでは、一定の負担水準まで応益を求めるものの、応能の側面が強く、

高齢者福祉サービスでは応益の色彩が強く出るものの、生活保護や原爆手帳、重度障害などの条件付きでサービス利用料の減額があります。




以上は、福祉の勉強の講釈であり、一定の俯瞰的な見方であり、いよいよ本題に入ります。


今月から消費税率が8%に上がりましたが、


そもそも消費税とは、国民から所得に関係なく一律に徴収でき、


国や地方自治体にかかる行政や社会保障にかかるコストを一律に求めるという意味で、


応益負担と言えます。



一方で所得税とは、収入から一定の経費を差し引いた額に税率をかけて徴収されるため、


稼ぐ能力に応じた負担を求めるという意味で、応能負担といえます。



日本国のGDPは400兆円を越える中、国の税収はわずか40兆円しかありません。


日本国内で生み出される富から10分の1しか税を徴収できていないことの理由は置いておいて、


所得税や法人税が少ないことが国の財政圧迫の原因のひとつです。


グローバル化が進んだ現代では、海外などに生産や活動の拠点を移すことで、


日本国内の生産事業が低迷し、日本国内の産業が空洞化しています。


その結果、日本の多くの中小企業は赤字となり、法人税や所得税を徴収しづらくなっています。


応能負担である所得税を徴収することが難しくなっているのです。




一方で、政府はいかにして効果的に税を徴収するかを考えています。




そこで、行政や社会保障にかかるコストを、



国民に応分に負担してもらう(応益負担)仕組みとして、消費税を増税したのです。



物やサービスを消費することで国民の富が向上するのに、


消費税は文字通り、消費することに対しペナルティをかけるという仕組みです。


所得に関係なく徴収されるため、低所得者層ほど影響は甚大です。




話を福祉業界にもどしますと、


介護保険が導入された当時は応益負担が強調されましたが、


年月が進み制度が改正されるたびに、応能負担が復活しているのが現状です。


国民の所得は平等ではなく、貧富の差が存在する以上、


応益負担一辺倒では限界があるのです。



かといって、応能ばかりにすると、富裕層が苦情を言います。


努力して、苦労をしたから富裕層になったのだと。


そういう面は確かにあります。


ではどうすればよいか・・・



富裕層に対し税金を徴収することが困難だから、


貧困層からでも徴収が安易な消費税によって解決を図るのではなく、


世の中のお金の流れを全てガラス張りし、強制的に徴収する社会にするか、


富裕層が身の丈に応じた税金を支払うことで、富裕層にとってもメリットのある社会にする・・・


そういう発想が重要なのです。


2014年4月4日金曜日

記事が掲載されました

このたび、当事務所の記事が、県社協の広報誌に掲載されました。



ご理解のある関係者のご好意があってのものです。


いま思えば、初めて画像をアップします。


文字ばかりの当ブログに一石を投じるものです。



2014年4月3日木曜日

月初めの日常

さて、新年度早々、重度の花粉症に悩まされましたが、何とか回復。


本調子ではないものの、午前中に打ち合わせ1件、


午後から受診の付添い1件行ってきました。



午前中の打ち合わせでは、障害者や高齢者を中心とした福祉事業を展開する社長に、


私が関与する「福祉事業あんしんサポートネット」の活動へのアドバイスを頂きました。



午後の受診付き添いは、障害年金受給のため、医師や相談員と面会するもの。


どちらも今後の仕事の展開に向けて重要な局面になります。



ではまた。

2014年4月1日火曜日

新年度 心機一転

まる1ヶ月間休止していたブログを再開し、今日からこまめに更新していきます。


平成26年度も本日からスタートし、心機一転がんばります。


4月1日は、記念すべき当事務所開設6ヶ月の節目となる日となります。




労働・社会保険・福祉の総合サポートとして、開設後スタートダッシュを続けましたが、


ここまでの事業を振り返り、不具合を修正していきます。




それとともに、年金相談のレベルをアップし、成年後見にも対応できるようにしていきます。


福祉関係事業所支援では、これまで以上に総合的なサポート体制を構築します。


居宅介護支援(ケアプラン)では、対応力を強化するために、ケアプラン件数を2倍にします。


来年度以降、交通の便の良いところに事務所を構え、事務員を雇用していく予定です。




なにはともあれ、まずは、目の前の仕事に全力で取り組みます。